薪ストーブの基礎知識
薪ストーブとは?
技術革新が生み出した、高効率・高出力の薪ストーブ Alderlea T5 LE(オルダリー T5 LE)
薪ストーブは、電気を使わず煙突内で発生するドラフト(上昇気流)のみで火を起こす暖房器具です。
特に海外製の薪ストーブは全館暖房の考えに基づき住宅をまるまる1棟暖めることを目的として設計・製造されているため、国産に比べ熱出力が高い傾向にあります。
薪ストーブを検討する際は、利用頻度・デザイン・予算・調理の有無・設置場所など、ライフスタイルに巻きストーブがどう組み込まれていくのか、色々な視点から考えてみましょう。
薪ストーブと暖炉の違い
薪ストーブは別名フリースタンディングと呼ばれ、本体と煙突を室内に露出した状態で設置します。
本体から発する輻射熱で部屋を暖め、暖房効率や燃費の良さが特徴です。
暖炉は別名ファイヤープレースと呼ばれ、本体を壁面に埋め込んで設置し、煙突は煙突囲いを設け一切露出させません。
住居空間のスペースを広く確保して設置できるのが特徴で、焚いている裸火の熱で部屋を暖め、独特の強い炎のゆらめきをたのしめます。
薪ストーブの安全性
薪ストーブは、表面温度が200~300℃、炉内は400~600℃以上と高温になるため火傷に注意しましょう。
炉内は密閉度が高いため、炉内で発生した一酸化炭素などが室内へもれ出る可能性はほとんどありません。
ストーブ本体はかなりの重量があり、煙突で接続されていることもあって地震の揺れですぐに倒壊することはありませんが、万一地震が起きた際は、ストーブが動いたり損傷した形跡がないか、煙突が外れていないか確認してから使用してください。
コストパフォーマンスは?
薪ストーブを設置するには、ストーブ本体のほか煙突と施工費がかかります。
ファンヒーターがエアコンや10年ほどで交換しなければならないのに対し、薪ストーブの寿命は数十年。
その間、暖房にかかる電気代や石油代が不要となり、薪を入手するルートや方法によって燃料代を抑えることができます。
また、電気を使用しないため、停電時などにも暖房や調理に使用できます。
広葉樹と針葉樹
日本では、薪ストーブの燃料は広葉樹が理想と一般的に謳われていますが、アメリカやヨーロッパでは森林の多くは針葉樹のため、当然針葉樹を燃やすことも前提に製造されており、基本的に針葉樹、広葉樹共に燃やすことができます。
広葉樹が理想といわれるのは、針葉樹と比べると密度が高く、燃焼時間が長いからです。
また、針葉樹は油分を多く含む樹種が多く、広葉樹と比べると乾燥期間を長く必要とします。
燃やした際も煤やタールが付きやすいため、メンテナンスの手間が多少変わってきます。
一方で、針葉樹は焚き付け材としてはとても優秀です。
焚き付け材とは、ストーブに火入れをする際に使用する細く割った薪で、一般的には油分の多い針葉樹が使用されています。
針葉樹を薪として使用する際は、広葉樹よりも火力が強くなる傾向がありますので温度管理に注意しましょう。
どこでも設置できるとは限らない
薪ストーブは電気を使わず煙突内で発生するドラフト(上昇気流)のみで燃やします。
建築基準法や消防法など国で定められた法律は防火安全上の法律のみのため、ドラフトの維持に必要な設置ルールは含まれていません。
住宅の間取りや気候・標高など様々な条件によりプランニングは異なるため、稀に希望の場所に薪ストーブの設置ができないケースがあります。
新築時に薪ストーブの設置を検討される場合は、図面の段階で早めにご相談いただくことをおすすめします。
薪ストーブはエコ!環境問題に貢献しています
薪ストーブはカーボンニュートラルと里山の活性化に貢献しています。
カーボンニュートラルとは、CO2(二酸化炭素)の排出量と吸収量がプラスマイナスゼロであることを指します。
植樹された新たな木々が、薪を燃やして発生するCO2を光合成の過程で吸収します。
全体として新たなCO2を増やさない薪ストーブは、とても地球に優しいエコな暖房器具です。
近年、日本では里山の荒廃と間伐材の放置が問題となっていました。
定期的に手入れを必要とする里山は間伐材の宝庫。
そこで入手できる間伐材を薪として活用することで里山管理のサイクルができ、雇用が生まれ、地域の活性化にもつながるのです。
一方で、山間部の少ない都市部では一定の燃料不足が懸念されるため、私たちはそのような需要に応えるためにも薪を生産しています。