薪ストーブを安全に、快適に楽しむために 薪の選び方と正しい焚き方

薪ストーブは、正しい知識を持って使いこなすことでお部屋を芯から温めてくれる最高の暖房器具となります。
誤った使い方や不適切な燃料の使用はガラスの汚れや炉内の傷みだけでなく煙道火災という重大な事故を引き起こす原因になります。
安全で快適な薪ストーブライフを送るために欠かせない薪の品質(含水率)と正しい空気調整のコツ」について説明します。薪の品質と「含水率」の重要性
薪ストーブのパフォーマンスを最大限に引き出すため最も重要なのが「しっかり乾燥した薪(乾燥薪)」を使うことです。
水分を含んだ生木・未乾燥薪の危険
伐採したばかりの木や十分に乾燥していない薪には多くの水分が含まれています。
水分を含んだ薪を燃やすと以下のようなトラブルが発生します。

熱効率の低下
薪に含まれる水分を蒸発させるために熱が奪われ部屋が温まりにくくなります。
不完全燃焼と黒煙の発生
炉内の温度が上がらずタールや多量の煤が発生します。
ガラスや煙突の汚れ
ドアガラスがすぐに真っ黒に曇り煙突内部にもタールや煤が異常なスピードで蓄積します。
煙道火災のリスク急増
煙突内に溜まったタールや煤に引火し煙突内部で火災が起きる危険性が極めて高くなります。
適切な薪の条件
含水率の目安
薪の水分量は 20%以下(できれば15%前後)が理想です。
乾燥期間
ナラ、クヌギ、カシなどの広葉樹の場合は割った状態で最低1〜2年以上の風通しの良い場所での天日乾燥が必要です。

見分け方
割った断面にヒビが入っている。
叩いたときに鈍い音ではなくコンコンと乾いた高い音がする。
持ったときに見た目よりも軽く感じる。
焚き付け時と燃焼中の空気調整のコツ
薪ストーブの火力をコントロールし完全燃焼を促すカギは空気(一次空気・二次空気)の調整です。
空気を絞りすぎると不完全燃焼の原因になります。
ステップ①
焚き付け時は空気を全開にする
着火時〜初期燃焼
細い焚き付け材から中型の薪へと火を育てていく段階では空気調整レバーを全開にし十分な酸素を供給します。
炉内と煙突内の温度を素早く上げ上昇気流(ドラフト)をしっかりと安定させることで煙や煤を外にスムーズに排出させます。

ステップ②
薪が十分に燃え上がったら適度に絞る
巡航燃焼時
薪全体に赤い炎と熾火が回りストーブ本体の温度計が適正温度に達したら空気を少しずつ絞って燃焼スピードをコントロールします。
注意点(空気を絞りすぎない)
薪を長持ちさせたいからといって空気を完全に絞ってしまうと不完全燃焼になりガラスや煙突に一気に煤が溜まります。炎が青みを帯びたり燻るような燃え方をしているときは空気が不足しています。
常にオーロラのような力強い揺らぎのある炎を維持するのがコツです。

ステップ③
追加の新しい薪をくべる際は一度空気を少し開けて炉内温度を上げてから投入し着火を確認してから再び適切な位置へ絞ります。
日常のチェックとメンテナンスの目安
毎日のチェックは焚き始めや消火時にドアガラスの状態を確認してください。
ガラスが薄っすら曇る程度であれば正常ですが真っ黒に煤けて炉内が見えない場合は空気不足か水分を含んだ薪を使っているサインです。
定期的な煙突掃除行い点検: 安全にご使用いただくためにもシーズン前(秋)またはシーズンオフ(春)の年1回は専門業者による点検および煙突掃除を実施することをおすすめします。
安全で温かい薪ストーブライフのためにぜひ乾燥した良質な薪と適切な空気調整を心がけてください。
