薪ストーブの種類

素材の違い
薪ストーブに使われる素材は大きく分けて3種類あります。
鋳鉄(キャストアイアン)

溶かした鉄を砂型に入れて成型する手法で、曲線やレリーフなど複雑なデザインを表現することができます。
使用する鉄の量が多く蓄熱量が高いため、火が落ちても長時間放熱し続けます。
鋳鉄製 ヨーロッパを代表する薪ストーブ セガン、サファイア

鋼鈑(スチール)

鋼鈑とは強度の高い鉄製のプレートです。加工性に富み、直線的なデザインの表現を得意とします。
使用する鉄の量が少なめなので、早く温まるのが特徴です。
ネオモダンな鋼板製ストーブNeo(ネオ)1.6

天然石(ストーン)

鋳鉄や鋼鈑のストーブ本体に、加工した石を外装として取り付けて使用します。
鋳鉄よりもさらに蓄熱力が高いのが特徴で、天然素材のため模様も1台1台異なります。
ソープストーン・サンドストーンを使用したRIKA製薪ストーブ

暖房方式の違い
輻射熱式

炉内の熱をストーブ本体に蓄熱し、そこから発する熱で暖める暖房方式です。
ストーブの全方向から放熱を行うため、壁・床・天井まで暖めます。多くの薪ストーブで採用されている暖房方式です。
輻射熱式 セガン、サファイア

対流熱式

暖めた空気を対流させる暖房方式です。空気の流れができるため、より早く隅々まで暖気を送ることができます。
エアコンやファンヒターなどでよく用いられる暖房方式です。

輻射熱・対流熱複合式

輻射熱と対流熱を併用した暖房方式で、炉内と本体の間に空気層を設け、暖めた空気を対流熱として利用します。
最も効率よく室内を暖めることができる暖房方式です。
輻射熱・対流熱複合式 Alderlea T5 オルダリー ティーファイブ

燃焼方式の違い
薪を燃やす(一時燃焼)と、炉内で煙が発生します。煙に含まれる未燃焼成分は、550℃以上に熱すると再燃焼(二時燃焼)する性質を持っており、排煙量を減らし燃焼効率を高めます。
煙の二時燃焼を促すため、さまざまな方法が用いられています。

クリーンバン方式

炉内に新鮮で高温な空気を送り込んで二次燃焼を促す仕組みです。
孔の開いたステンレス製のチューブが用いられることが多く、火力調整用の空気とは別に取り入れられます。
シンプルな構造のため使いやすく、多くの薪ストーブで採用されているスタンダードな燃焼方式です。
クリーンバーン方式 ネオ・モダンな薪ストーブ Neo(ネオ)1.6

クロスフロー方式

セラミック製の耐火レンガと燃焼ボックスを用いて二次燃焼を促す仕組みです。
炉内奥に設置されたセラミックレンガから高温になった空気を送り込み煙を燃やします。
残った煙はレンガの奥に内蔵されている燃焼ボックスに滞留し、隣接するレンガの熱により燃焼。
クリーンバンよりも早く二次燃焼を開始します。
クロスフロー方式 トラビス・インダストリーズ Arbor(アーバー)

触媒方式

セラミックやステンレス製の触媒を使用して二次燃焼を促す仕組みです。
煙が触媒を通過する際に触媒表面に塗布されたパラジウム、ロジウムなどの貴金属が化学反応を起こし、一気に煙を高温化させ二次燃焼を促します。
触媒自体が260℃を越えると二次燃焼が開始されることから、クリーンバンやクロスフローよりも早く二次燃焼を開始し、煙の排出が少なく二次燃焼も高まります。
触媒方式 トラビスインダストリーズ Rockport(ロックポート)

ハイブリット方式(クリーンバン&触媒)

クリーンバーン方式と触媒方式を併用して二次燃焼を促す仕組みです。
炉内で発生した煙はクリーンバン用のチューブから送り込まれる高温の空気で二次燃焼が促され、さらに残った煙は触媒を通過することでⅢ次燃焼が促されます。
数ある燃焼方式の中で最も排煙量が少なく燃焼効率が高いため、薪の消費も少なく経済的です。
ハイブリット方式(クリーンバン&触媒)世界一クリーンな薪ストーブ ケープコッド

触媒の効果


触媒・クリーンバン方式 Rockport ロックポート


触媒とは、化学反応を加速・増加させるものである、身近なものだと廃棄ガスの低減、浄化のための自動車マフラーに組み込まれています。
薪ストーブの触媒は表面にパラジウムやロジウムなどの貴金属を塗布したセラミックで形成されており、目の細かい蜂の巣状が特徴です。
セラミックの高温になりやすい特性に加え、表面に塗布された貴金属の化学反応により煙が触媒を通過する際に急速に煙を高温化させ二次燃焼を促すため、火入れから二次燃焼までの開始が早く、効率よく暖をとることができます。

触媒のメリット① 煙が減る!
炉内にある薪を燃やすことが一時燃焼です。一時燃焼時に発生した煙は550℃以上になると、煙に含まれている有機物やガスが燃料となり再燃焼します。
煙が再燃焼することを二次燃焼といい、再燃焼を繰り返すことで排煙もよりクリーンな状態になります。
一般的な燃焼方式であるクリーンバン式では、二次燃焼のため、効率よい燃焼を長時間にわたって保つことができます。
また、近年ではより排煙が少ない触媒とクリーンバンを組み合わせたハイブリット式も注目されてきています。

触媒のメリット② 薪の消費が減る!
薪ストーブは、二次燃焼の状態を維持しながら使用することで効率の良い暖房効果を得ることができます。
二次燃焼を維持しないとストーブが冷えやすく、結果として部屋が暖まりません。
ストーブの低温燃焼は煙の排出が多いだけでなく、暖房能力も著しく下がり薪の消費も増大するため無駄が多い状態です。燃焼式はクリーンバンに比べ半分の温度で二次燃焼を開始するため、炉内にくべる薪の量も必然的に減ります。

薪の削減率は薪ストーブの機密性にも大きく影響されるため厳密な算出は難しいですが、一般的に平均三割前後、クリーンバン式から買い換えたユーザーからは、機種によって5割も削減できたという声も届いています。

優れたコストパフォーマンス

ハイブリット方式(クリーンバン&触媒)世界一クリーンな薪ストーブ ケープコッド

触媒の寿命は、およそ8000~1万時間といわれています。
使用頻度により違いはありますが、3~6年に一回の交換が必要です。
交換の際に触媒の部品代金はかかりますが、クリーンバン式を使用した場合の薪の消費量と比較すると、薪の入手経路にもよりますが1シーズン使用すれば薪代金の元が取れる計算となります。
例)1㎡=33,000円で薪を購入している場合(1シーズン15㎡必要と仮定)
クリーンバン式  /  33,000×15 =495,000円
触媒式(3割削減)/495,000×0.7=346,500円
→1シーズンあたり燃料費を148,500円節約!
(トラビス社製触媒価格/38,000円)
メンテナンスの容易性
従来の触媒式ストーブは、触媒が炉内から手の届かない場所に組み込まれており、触媒の掃除や交換には分解作業が必要でした。トタビス社のストーブは目視できる炉内上部に触媒を組み込んでおり、分解せずにそのまま表面をブラシや掃除機で掃除することができるため非常に簡単です。
また、触媒の交換作業も簡単なため、ユーザー目線のメンテナンスしやすい構造になっています。

Follow me!